著者
小野 浩一 河野 友香 荒川 美樹
出版者
駒澤大学文学部心理学科
雑誌
駒澤大学心理学論集 : KARP (ISSN:13493728)
巻号頁・発行日
no.2, pp.131-138, 2000-03

個体が,いくつかのカテゴリからなる行動を繰り返し自発するとき,それらの行動は一連の行動連鎖を形成する。その行動連鎖のあるものは不規則的なものであり,またあるものは,規則的で定型的な連鎖パターンを示す。行動連鎖パターンは,個体が他個体と相互に交流するような場面においても出現する。このような行動連鎖パターンの特性を記述する一つの方法に系列分析(sequential analysis; Bakeman and Gottman,1986,1997)がある。本稿では,系列分析の考え方と方法を簡単に述べた後,それを2者間のジャンケン・ゲームに応用してその有効性を確認した実験結果を紹介する。