- 著者
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下高原 理恵
島田 和幸
柴田 興彦
河野 麻理
島田 達生
- 出版者
- コ・メディカル形態機能学会
- 雑誌
- 形態・機能 (ISSN:13477145)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, no.1, pp.17-22, 2006 (Released:2010-09-09)
- 参考文献数
- 20
- 被引用文献数
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ヒトの肛門から直腸にかけての上皮の形態を光学顕微鏡、走査電子顕微鏡および透過電子顕微鏡を用いて調べた。組織学的所見から、我々は肛門縁から肛門直腸結合部までを肛門管と定義し、その長さは約4cmであった。さらに、肛門管を歯状線上部と歯状線下部に二分した。肛門と歯状線下部の上皮は角化重層扁平上皮からなり、歯状線下部における角化の程度は肛門よりも弱かった。歯状線上部 (肛門柱と肛門洞) は非角化重層扁平上皮からなっていた。肛門管と直腸の境界は明瞭で、直腸は単層円柱上皮からなっていた。結果的に肛門管は物理的刺激に対して強く保護されているが、直腸は形態学的に刺激に対して弱い構造であった。