著者
川口 真生 春日井 秀紀 左文字 克哉 萩野 裕幸 折田 賢児 山中 一彦 油利 正昭 瀧川 信一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.353, pp.59-62, 2010-12-10

GaN系材料を用いた高出力半導体レーザは、ディスプレイ、光記録、加工などの幅広いアプリケーションのキーデバイスとして期待されている。半導体レーザの高出力化には、光吸収に起因する端面破壊の抑制が特に重要であり、光出射端面の禁制帯を選択的にワイドギャップ化して光非吸収にする端面窓構造の有効性が知られている。我々は、この端面窓構造を有する青紫レーザを、段差溝を設けたGaN基板上にレーザ構造をエピタキシャル成長する新たな手法により世界で初めて実現した。段差溝により近傍の結晶面の傾きを制御することで、活性層のIn組成を減少させ、結晶成長面の一部を局所的にワイドバンドギャップ化させることができる。これを利用し、光出射端面をワイドバンドギャップ化した青紫レーザを試作し、端面破壊を抑制して2Wを超える高い光出力を得た。