著者
高木 郁子 松浦 隆文 沼田 一道
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌 (ISSN:13498940)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.149-160, 2012
参考文献数
8

複数種類のジョブと各ジョブ種の必要処理回数が与えられたとき,循環的な単位時間枠の並びに対して各ジョブをできるだけ均等に割当てるスケジューリング問題をcyclic Fair Sequence Problem(cFSP)という.cFSPは均等性を明確に定義付けていないので様々な指標が考えられている.Response Time Variability Problem(RTVP)はcFSPの代表的な問題の一つで,全ジョブ種に関して理想的な出現間隔と実際の出現間隔の差の二乗の和を最小化する問題である.Corominasらは出現間隔を直接的に列挙変数で線形表現した定式化-求解モデルを提案し,それにより単位時間枠並びの長さが40程度までの問題例についてRTVPの厳密解が求まることを報告している.しかし,この定式化は複雑で求解可能な問題サイズの拡張や他指標への応用が見込めない.本研究では出現間隔を基礎とした様々な指標に柔軟に対応でき,かつ,より大きなサイズの問題例に対して厳密解が求まる定式化-求解モデルを提案する.