著者
泉山 若菜 金澤 奈津美 小濱 広子 篠木 千佳 摂待 詩織 千葉 さゆり 川崎 雅志
出版者
岩手県立大学
雑誌
岩手県立大学盛岡短期大学部研究論集 (ISSN:13489720)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.23-30, 2015-03

異なる種類の食餌摂取の血清および肝臓脂質レベルに対する影響をラットにおいて検討した。ラットには,実験食として日本料理,西洋料理,中華料理を,ヒトが一般に摂取している食事を組み合わせてメニューとし,カロリーを等価として与えた。副睾丸脂肪組織の絶対重量は,3 食の間で有意な違いはみられなかったが,相対重量が,日本食摂取に比べて洋食摂取によって有意に増加し,中華食摂取によって増加の傾向を示した。血清トリグリセリド濃度ならびに肝臓トリグリセリド含量が,洋食摂取によって日本食摂取に比べて有意に増加し,中華食摂取に比べて増加の傾向を示した。肝臓コレステロール含量が,洋食ならびに中華食摂取によって日本食摂取に比べて有意に増加した。日本料理,西洋料理,中華料理から調製した異なる種類の食餌摂取により血清および肝臓脂質レベルに対して異なる作用がみられ,こうした異なる作用は,少なくとも一部としてそれぞれの食餌の成分組成の違いによるものであることが示唆された。食品の作用は様々な成分の栄養的多様性により現れることが考えられ,バランスのとれた食事を摂ることが重要である。