著者
落合 邦康 今井 健一 田村 宗明 津田 啓方
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

Epstein-Barrウイルス(EBV)再活性化や感染細胞の異常増殖がおこり伝染性単核球症や上咽頭がんなどが発症する。われわれは、歯周病原細菌の代謝産物である酪酸がEBVの再活性化に必須である最早期遺伝子ZEBRAの発現を転写レベルで誘導する事を見出した。ZEBRAは他のウイルス蛋白やRNAの発現を誘導しEBV関連疾患を引き起こすことから、歯周病がEBVを再活性化し口腔毛様白板症やがんおよび重度の歯周病の進展に深く関与している可能性を示唆している。また、ラットを用いた実験により、歯肉に接種した酪酸が長時間組織に停滞し、ミトコンドリアに強い酸化ストレスを誘導することが判明した。