著者
津田 理子 蒲池 元春 飯塚 進 桐村 和子
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.21-26, 1975-12-31 (Released:2010-10-28)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

唾液カルシウム量と年齢, 性別, う蝕の有無との関係をしらべ, 次の結果を得た。唾液カルシウム量は個人差はかなりあるが, 同一人においては, 採取時による差は比較的小さいことがわかった。唾液総カルシウム量の経年的な変動をみると, 生後6歳位まで増量し, 以後11歳位まで減少し, 成人 (19~23歳) に至るまではほぼ一定値を保っていた。特に生後9カ月未満のもの (歯が萠出していないもの) と, 1歳~1歳5カ月のもの (歯が1本以上萠出したもの) で唾液カルシウム含有量に大きな差がみとめられた。性別による差は11歳, 14歳でみられ, 男子の方が高い値をしめした。3~4歳, 5~6歳児について唾液カルシウム量と, う蝕との関係をしらべたが, 相関関係はみられなかった。