著者
津野田 雅敏
出版者
メジカルビュー社
巻号頁・発行日
pp.292-293, 2017-03-26

1.大動脈瘤の多くは無症状だが,大きくなると胸背部痛や腹痛などの症状が出現して最終的には破裂する。破裂リスクの予測因子として最も重要なのは瘤径(最大短径)であり,腹部大動脈で5.5cm以上,上行大動脈で6cm以上,下行大動脈で7cm以上になると破裂の危険性が高くなる2.症状が出現した段階では,すでに破裂の危険性が高まっている状態であり切迫破裂が疑われる。切迫破裂のCTサインとしてはhyperattenuatingcrescentsignなどが有名だが短期的な陽性適中率は必ずしも高くはなく,症状や瘤径,経時的な変化などを併せて診断することが重要である3.大動脈瘤破裂には一般的なfrankruptureと,慢性的な経過を示すことの多いcontainedruptureがある。典型的なfrankruptureではCT診断に迷うことは少ないが,特殊な破裂様式の場合には注意が必要である。慢性的な経過を示すcontainedruptureのCTサインとしてはdrapedaortasignがある