著者
浅井 茂紀 アサイ シゲノリ Shigenori ASAI
雑誌
千葉商大紀要
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.95-115, 2002-12-31

この論文は,目次,I序論,II本論,第1節倫理学とは何か-人間の行為の原理を研究する学-第2なぜ倫理学が必要か-人倫と理法の学における価値-第3ソクラテスの「汝自身を知れ」-西洋倫理学の創始-第4プラトンの哲人政治と善のイデア-四元徳とイデア論-第5節アリストテレスの倫理学(実践哲学)-観照と中庸-,第6節イギリス経験論-経験について-,第7節大陸合理論-理性について-,第8節ドイツ観念論-カントの善意志について-,第9節キリスト教-愛について-,III結論(注付),から成立している。倫理学(Ethics)の語源,「倫理学」の訳語(井上哲次郎),倫理学の概念も説明した。孟子も「聖人は,人倫の至りなり。」(離婁上)と述べた位に,倫理,人倫や人道の言葉だけでも難解な問題であるが,西洋倫理学と関連して,人間の行為の原理を考察してみた。これら倫理学を分析や総合し,その全体的な体系付けをして,その中身の意義と価値を考慮した一研究論文である。
著者
浅井 茂紀
出版者
千葉商科大学
雑誌
千葉商大紀要 (ISSN:03854566)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.83-99, 2005-12

この論説は,目次,I序論,II本論,第1節孔子の学,第2節孔子の道,第3節孔子の徳,第4節孔子の善,第5節孔子の天,III結論,から成立している論文(注付)である。孔子の学,道,徳,善や天とは何かを問題にしてみた。それらの根拠として,儒学における『論語』や『孟子』,『荀子』などの出典を提示して,各々の内容を分析や総合し問題にしてみた。また,中国古代,周の春秋時代,孔子は,仁,義,礼,知,信や愛はもとより,なぜそれら学,道,徳や善,さらに,天などの倫理(Ethics),道徳哲学(moral philosophy)を主張したのかを問題にし,吟味してみたのである。つまり,孔子の倫理哲学は,人間としての基本的な理念(Idee)ではなかろうか,ということをロゴス(logos)的に体系付けて,その意義と価値を多少なりとも考察した論説である。