著者
浅山 英一
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-9, 1958-12-30

ストック初雪外13品種を用いて,花色,草丈,開花の早晩,八重率等についてそれぞれの組合せを行い,F_1にあらわれる特性を調査し次のような傾向を見出した.(1)花色 同一系統の白色品種間のF_1は白色に,異系統の白色品種間のF_1は淡紫色又は紫色に咲く.白色花と紅色花とのF_1は紫色花となり,紅色系品種間のF_1は紅色系の花色にあらわれる.(2)草丈 F_1は概ね両親品種の何れかより草丈が高くなり,矮性種相互の組合せでは両親品種よりはるかに高性となるものが見出される.(3)開花の早晩 概してF_1植物は早咲となる傾向があり,早生種相互のF_1には両親品種よりも1カ月以上早咲するものが見出された.(4)八重率 F_1にあらわれる八重率は,両親とした固定品種の八重率よりも高いものが各組合せの70〜80%程度あらわれる.(5)花色に関する成績を除いては,逆交配の結果は必ずしも正交配の結果と同一であるとは限らない.