著者
浅岡 克彦 若林 拓史 亀田 弘行 岸尾 俊茂
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集 (ISSN:18848435)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.1285-1288, 1997

都市交通の重要な一翼を担う地下鉄は, 耐震対策の面からシステムとして大別すれば, トンネルや軌道等の構造システム, 列車運行に関する運行管理システム, 列車の動力や駅の照明等の電力システムに区分される.本稿では, 構造システムのようなハード面のみならず, ソフト面である運行管理システムを含めた地下鉄の地震防災の現状を取り上げ, 日本と並び地震多発地帯であるアメリカ西海岸の地下鉄の地震対策と比較し, その課題について述べる.具体的には, 構造システムでは, 兵庫県南部地震後の既設構造物の耐震補強の状況や耐震基準の改定等について大阪市地下鉄を例に取り上げ, これとサンフランシスコのBARTとロサンゼルスのRed Lineの事例とを比較する.また, 運行管理面についても, 地震時の対応策について日米の地下鉄のマニュアルの違い等を比較する.