著者
河端 由佳 狩野 俊幸 浅見 暁子 古田 淳一
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.1926-1929, 2016-12-01

61歳女性。15年前より躯幹や四肢にそう痒を伴う紅色丘疹が出現し、春と夏には掌蹠にそう痒さを伴う漿液性丘疹が出現するようになった。受診時、汗疱状湿疹が遷延する臨床像と大豆の多量摂取歴から全身型金属アレルギーが疑われた。金属パッチテストでは亜鉛と白金が+?(ICDRG基準)であった。多量に摂取していた大豆を1ヵ月間制限したところ、掌蹠や躯幹、四肢の皮疹は軽快した。軽快後、ポラプレジンクの内服による亜鉛負荷試験を実施したところ、亜鉛による全身型金属アレルギーと診断された。管理栄養士の協力を得て、亜鉛摂取を控えるよう指導し、皮疹は寛解した。
著者
水間 久美子 岩部 博子 北久保 佳織 松浦 成志 浅見 暁子 中山 雅博 田川 学 鈴木 浩明 増本 幸二
出版者
一般社団法人 日本臨床栄養代謝学会
雑誌
学会誌JSPEN (ISSN:24344966)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.11-19, 2021 (Released:2021-08-25)
参考文献数
14

【目的】当院では2013年9月より頭頸部がん患者の栄養管理を目的に,病棟担当管理栄養士を配置している.今回,配置前後の対象患者の体重減少率およびエネルギー充足率を比較検討した.【方法】対象は2013年4月1日~2014年3月31日に当院耳鼻咽喉科に14日以上入院した頭頸部がん患者91名(年齢64.6±9.8歳,男性74名,女性17名).病棟担当管理栄養士配置を行っていなかった群(以下,配置前群と略)46名と病棟配置後群(以下,配置後群と略)45名の体重減少率およびエネルギー充足率を比較した.【結果】頭頸部がん患者の入院中の体重減少率は配置前群7.1±4.7%から配置後群4.9±4.7%へと有意に低下した(p=0.029).退院時エネルギー充足率は,配置前群71±30%から配置後群87±27%へと有意に上昇した(p=0.011).【結論】管理栄養士の病棟配置によりエネルギー充足率が高まり,体重減少を抑えることが可能であった.