著者
浅野 敦之 牛山 愛
出版者
国際タウリン研究会
雑誌
タウリンリサーチ (ISSN:21896232)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.13-15, 2020 (Released:2021-09-20)

精子や卵子は制限時間内に様々な体内環境を通過し受精や発生を完了しなければならない。この間、あらゆる変化はストレスに変換され細胞に襲いかかる。これに対し、転写翻訳機能を欠く精子は、自己に予め組まれた機能あるいは細胞外因子を防御機構に利用する。 タウリンは雌雄の生殖器道内腔液に豊富に存在する主要アミノ酸であり、細胞内浸透圧調整、細胞内シグナリング、細胞膜安定化、細胞内カルシウムなど様々な機能があることは知られている。また古くから体外培養系に添加剤として用いることで受精発生機能の向上が認められるが、その分子メカニズムはよく分かっていない。本稿では生殖を中心にタウ リンの機能的役割を紹介する。