- 著者
-
浅野 歩
花田 圭司
田端 康一
小西 啓介
- 出版者
- Meeting of Osaka Dermatological Association/Meeting of Keiji Dermatological Association
- 雑誌
- 皮膚の科学 (ISSN:13471813)
- 巻号頁・発行日
- vol.1, no.3, pp.194-196, 2002 (Released:2010-08-25)
- 参考文献数
- 9
82歳, 女性。約1年前から気付いていた両側大陰唇の自覚症状のない径5mmまでの青褐色や黄白色の小丘疹が集簇し, 徐々に数を増すため, 当科を受診した。全ての小丘疹を切除した。病理組織学的所見はHE染色で真皮内に円形の嚢腫をみとめ, 嚢腫壁は数層の扁平上皮細胞からなり, 顆粒層を経て角化していた。嚢腫の内腔には層状の角質がみられ, 角質に混じって軟毛の断片も存在していた。嚢腫壁には脂腺の付着や肉芽腫様反応はなかった。以上の所見から, 自験例を外陰部に生じたeruptive vellus haircystsと考えた。