著者
浅野 竣祐
出版者
金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学演習
雑誌
論文集 / 金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学演習 [編] (ISSN:21886350)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.33-49, 2018-03-22

<概要>2016年に国内で話題となった映画『シン・ゴジラ』を題材に、監督の庵野秀明氏が本作の制作に至るまでに関わった人物、作品、出来事等が作中の物語にも強く影響を及ぼしていることを分析し、「日本」「日本人」「第二次世界大戦」「原子力及び核」「東京」という現代を生きる我々にとっても重要な根底的テーマと、映画やアニメ、小説等の物語を作る文化とが寄り添って繋げてきた大きな文脈の現れとして、『シン ・ゴジラ』という映画と物語内の登場人物の台詞が成立していることを立証する。また、映画という文化と我々との接点における在り方について、『シン・ゴジラ』や同年に公開された 『君の名は。』等も名前を挙げ、作品側ではなく観客側の抱える問題を提起し、日本国内における映画文化の再興について述べる。