著者
浜口 精一
出版者
京都大学
雑誌
京都大學結核研究所紀要 (ISSN:04529820)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.318-323, 1959-03

Sulfon剤の1つであるSulfisomidin (SIM)とINH並びに其の誘導体IHMSとを併用せる際の抗結核作用に就いての試験管内実験を行なつた。先づ結核菌発育阻止作用に関しては実験に使用した菌量並びにSIM併用量による影響が大きく, 一定した実験成績は得難いが, 或程度の併用効果が認められた。次にINH, IHMS耐性獲得に及ぼす影響は増量継代培養法ではIHMS・SIMに就いて行なつたが, 明らかにIHMSの耐性上昇はSIMによつて遅延された。恒量置換培養法にてはINH及びIHMSを高濃度に含む培地内に於いて置換培養を続けた際はSIM併用による耐性獲得遅延効果は殆んど認められないが, INH並びにIHMS低濃度培地ではSIM併用により, INH, IHMSの耐性獲得を遅延せしめた。