著者
浜田 彰夫 岡部 寿男 大久保 英嗣 津田 孝夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.83-84, 1994-03-07

分散OSでは、OSに必要な情報が複数のノードに分散されていることが多いので、システムの動作中に安易に一つのノードの電源を停止すると、他のノードにおいてOSとしての機能を続行させることが不可能となる場合がある。また、停電などによりすべてのノードの電源が一斉に停止すると、再び電源を投入しても以前の状態を回復することは通常不可能である。本研究では電源異常等によってシステムに障害が発生することを防ぐことを目的としている。電源の供給が予告無しに停止すると仮定すると、いつ電源が停止してもその時のシステムの状態情報を復活できる必要があり、したがって任意の時点におけるシステムの状態情報をすべて二次記憶等に保存しなければならないが、これは非常に効率が悪い。そのため、ここでは電源が停止するまでにある程度の時間的余裕があると仮定する。たとえば、突然に停電が起こった場合でも、自動的に予備電源が入り、残り数分間だけは電源が供給されるという場合などである。このような場合にシステムの実行状態を凍結したり、一部のノードを切り離したりすることによって、システムを安全な状態にとどめる方式に関して論ずる。我々は、現在開発中である分散OS DM-1においてこの機能を実現する予定である。