著者
海老澤 豊
出版者
駿河台大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究の対象は18世紀英国の牧歌だが、前提としてテオクリトスとウェルギリウス、ルネサンス期イタリア、スペンサーやミルトンの牧歌を概観した。これらは18世紀初頭の英国で起きた牧歌論争を分析するために必要な手続であった。18世紀英国の詩人たちは「田園で羊飼いが歌い交わす」牧歌を変形し、地方色牧歌、都会風牧歌、漁夫牧歌、異国風牧歌、反奴隷牧歌などを生み出し、牧歌という古い器に新しい酒を盛ろうとした。