著者
深澤 裕
出版者
北海道大学
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.167-172, 2006-03-22

高圧下の氷は温度を下げると Ice VIII と呼ばれる水素秩序構造に変化する.中性子回折の研究から,Ice VIII の全ての水素原子は秩序化した配置を有することが分かっている.それでは,大気圧下に存在する通常の氷(Ice Ih)の場合,低温では何が起きるのであろうか? ここで,Ice XIと呼ばれる水素秩序構造が,長い時間を経て出現する可能性について考察する.果たして,水素原子の配置が完全に秩序化したIce XI は存在するのであろうか?
著者
深澤 裕
出版者
独立行政法人日本原子力研究開発機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

氷およびクラスレートハイドレートの水素原子の配置を中性子回折および散乱の実験で研究した。水素が秩序化する温度と圧力の条件を新たに明らかにした。また、結晶内部の拡散と秩序化の機構を原理的に解明した。これらの結果に基づき、宇宙に強誘電体の氷が広く存在するとの仮説を発表し、その実証に向けた実験と観測計画を提案した。