著者
深田 成子
出版者
比治山大学大学院現代文化研究科附属心理相談センター
雑誌
心理相談センター年報
巻号頁・発行日
no.1, pp.27-31, 2005

授業内容をどうすればできるだけ多くの学生にきちんと理解させることができるかという視点から、教えることを通して学生の資質を考えたとき、現代の大学生は、次のような資質の傾向を持っているので、教師が教えるときにうまくいかないのではないかという問題提起を行った。その傾向とは、①私語は注意しなければ学生自ら止めることはない、②考えない大学生という問題提起は以前からなされてきたが、考えなくても平気でいられる大学生が増えてきており、それには教師にとっては常識なので、当然わかっているはずと考えていたものが身についていないために起こるのではないか、③授業に出席してその場にいても、平気で情報を自らスイッチoffにしてしまうので、教師の指示が伝わらず、個別に指示しないと簡単なこともできないのではないか、しかも、④プライドの高さと自信のなさというアンバランスな傾向をかかえているので、本気で努力をしたり、評価を受けることを嫌うのではないか、である。