著者
深谷 晃次
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.52-55, 1980

縦波はわかりにくいという生徒が多い.これは縦波の変位の方向が波の伝播方向と平行であるために,疎密の様子が図示しにくいためである.縦波の説明には,変位を一たん横波の表示に変換したものを利用することが多い.これは便利な反面,この両者の関係をよく理解できないままに終ってしまう生徒もいる.そこで縦波を即座に横波の形に変換でき,両者の関係を生徒の視覚に訴えることのできる何らかの方法が必要になる.その一つの方法としてモアレを利用してみた.それはバネを格子とみなし,バネの前面に,バネの平衡時と同間隔の格子を置き,この2つの格子によるモアレを作る方法である.この時生ずるモアレは縦波の変位を横波表示したものと一致する.このモアレを利用することにより,生徒の縦波への理解を深めることができる.
著者
深谷 晃次
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.132-135, 1980

指導法改善の試みとして,物理工「電界と電子」の単元で個人学習法による授業を試みた.その結果はおおむね好評であり,テストにおいても満足できる結果が得られた.それまで受身的であった生徒の授業態度に自主性がみられ,また実験に積極的に取り組む生徒の数が増加した.生徒の個性,能力,興味のもち方などを考えた場合,個人学習法は有効な授業形態であることがわかった.