著者
清明朝臣 撰
巻号頁・発行日
vol.巻1-2, 1600

『簠簋内伝』とも称される。日時、方位等の吉凶や禁忌等を解説した書。平安時代の陰陽家安倍晴明(921-1005)著と伝えるが、鎌倉時代末期から室町時代に成立した偽書と考えられる。簠、簋はともに古代中国の祭祀器、また金烏は太陽、玉兎は月で陰陽を表わす。掲出本は巻一、二のみ存する。巻尾題は「三国相伝宣明暦経注」。朱引き、合点、墨書の訓点、送り仮名がある。天文学者新城新蔵(1873-1938)旧蔵書。『増補古活字版之研究』によれば古活字版に6種あるが、掲出本と同種は寛永5年(1628)刊の旧安田文庫所蔵本(巻三~六。あるいはもと掲出本と一具か)が知られるのみ。
著者
清明朝臣 撰
出版者
深宗 写
巻号頁・発行日
1611

『簠簋内伝』『簠簋』などとも称される。日時、方位等の吉凶や禁忌等を解説した書。平安時代の陰陽家安倍晴明(921-1005)著と伝えるが、鎌倉時代末期から室町時代までに成立した偽書と考えられる。簠、簋はともに古代中国の祭祀器、また金烏は太陽、玉兎は月で陰陽を表わす。掲出本は1冊に合冊されているが、巻一末丁、巻四末丁は裏面の荒れが目立ち、もとは分冊されていたと思われる。巻一~三の尾題は「三国相伝宣明暦経註上(中・下)」。巻四巻頭は「三国相伝陰陽輨轄簠簋内伝金烏玉兎集造屋篇」、また巻五は「文殊曜宿経」と題される。各巻末に慶長16年(1611)3月に朝熊岳明王院で深宗(経歴未詳)が書写したとの奥書がある。印記「新城文庫」「丸山」。天文学者・京都帝国大学総長新城新蔵(1873-1938)の旧蔵書。その収集した新城文庫(当館所蔵)には、暦書、易占、俗信関係の文献が多い。