著者
仲川 晃生 清水 繁夫 越智 直
出版者
The Kanto-Tosan Plant Protection Society
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.31-34, 2011-12-01
被引用文献数
1

2009年春作~2010年春作にかけて,亜リン酸肥料 (ホスプラス: 大塚化学製,アリンサンデス2号: 日本医薬品開発研究所製) のトマト疫病に対する防除効果について試験した。トマトは品種 「桃太郎」 を使い,春秋2回露地条件下で試験した。2009年春・秋作では液体肥料を使い,500倍または1,000倍に希釈した各液肥を,肩掛け式電動小型噴霧器により疫病の初発前から1週間毎に合計4回散布 (200L/10a) し,最終散布7日後に効果を判定した。この結果,対照のマンゼブ・メタラキシル剤より防除効果は劣るものの,亜リン酸液肥散布区では41.1~76.5に及ぶ防除価を示し,効果が認められた。次いで,省力防除を目的に粉末にした肥料 (アリンサンデス2号の10%または20%含有肥料,日本医薬品開発研究所試作) を使い,苗処理による本病防除効果を調べた。粉末肥料を5gまたは10gの割合でトマト苗移植時の植穴に処理した場合, 防除効果は認められなかった。しかし,育苗時に1gまたは2gの粉末肥料を小型 (9号) ポットの園芸培土と混和して育成した苗を圃場へ移植した場合は,処理量等により効果は異なるものの,防除価で15.1~56.7の効果を示し,一定の効果が認められ有効であると考えられた。