著者
仲川 晃生 井上 康宏 越智 直 田谷 有紀 植松 芳彦
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.61, pp.31-34, 2014-12-01 (Released:2015-12-25)
参考文献数
5

農薬に頼らない防除技術の開発を目的に,納豆のジャガイモそうか病に対する種いも伝染防除効果について調べた。納豆調製液は,2010年春作では300g の市販納豆粒を2L の水に入れて撹拌した懸濁液 (300g/2L 区) を用い,2010年秋作以降の試験で300g および450g の市販納豆を摩砕して5L に加水した摩砕液 (300g/5L区および450g/5L区) を用いた。これらの調製液に種いもを瞬間浸漬後,予めクロルピクリンくん蒸剤で土壌消毒を行った圃場に植え付け,消毒効果を調べた。この結果,発病度から見た防除価は,対照薬剤 (ストレプトマイシン・オキシテトラサイクリン水和剤,40倍希釈) 区で36.1~90.2を示すなかで,300g/2L理区で47.3~47.6,300g/5L 処理区で19.6 ~ 79.6および450g/ 5L 処理区で35.3 ~ 92.1の値を示した。また,発病塊茎率か ら見た防除価も同様な結果を示すなど,納豆調製液は何れの濃度とも対照薬剤に比べて劣るものの,無処理区に比べて高い防除価を示した。
著者
小川 哲治 仲川 晃生 大島 一里
出版者
The Association for Plant Protection of Kyushu
雑誌
九州病害虫研究会報 (ISSN:03856410)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.19-25, 2011
被引用文献数
1

鹿児島県の奄美地方でジャガイモ塊茎えそ病の発生が認められ,塊茎えそ症状を示す塊茎を採集した。本塊茎からジャガイモY ウイルス (PVY) をジャガイモ(品種 「根系59号」)を用いて分離後,全ゲノム構造を決定した。本分離株と既に全ゲノム構造が解析されている北海道,長野県,九州地方の長崎県,鹿児島県の徳之島および沖縄県から採集した塊茎えそ分離株 (PVY<SUP>NTN</SUP>分離株) を分子進化的に比較した。その結果,奄美分離株はこれまで我が国で認められた分離株とは異なるゲノム型を示し,ヨーロッパで主に発生しているPVY<SUP>NTN</SUP>分離株の組換え体型と類似していた。
著者
仲川 晃生 清水 繁夫 越智 直
出版者
The Kanto-Tosan Plant Protection Society
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.31-34, 2011-12-01
被引用文献数
1

2009年春作~2010年春作にかけて,亜リン酸肥料 (ホスプラス: 大塚化学製,アリンサンデス2号: 日本医薬品開発研究所製) のトマト疫病に対する防除効果について試験した。トマトは品種 「桃太郎」 を使い,春秋2回露地条件下で試験した。2009年春・秋作では液体肥料を使い,500倍または1,000倍に希釈した各液肥を,肩掛け式電動小型噴霧器により疫病の初発前から1週間毎に合計4回散布 (200L/10a) し,最終散布7日後に効果を判定した。この結果,対照のマンゼブ・メタラキシル剤より防除効果は劣るものの,亜リン酸液肥散布区では41.1~76.5に及ぶ防除価を示し,効果が認められた。次いで,省力防除を目的に粉末にした肥料 (アリンサンデス2号の10%または20%含有肥料,日本医薬品開発研究所試作) を使い,苗処理による本病防除効果を調べた。粉末肥料を5gまたは10gの割合でトマト苗移植時の植穴に処理した場合, 防除効果は認められなかった。しかし,育苗時に1gまたは2gの粉末肥料を小型 (9号) ポットの園芸培土と混和して育成した苗を圃場へ移植した場合は,処理量等により効果は異なるものの,防除価で15.1~56.7の効果を示し,一定の効果が認められ有効であると考えられた。