著者
清田 淳子
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.174, pp.31-44, 2019-12-25 (Released:2021-12-26)
参考文献数
26

本研究では「言語少数派の子ども」に対する教科学習支援の方法として,「教科・母語・日本語相互育成学習モデル」 (岡崎1997) における「母語による学習」場面をスマホ版スカイプを利用した遠隔授業として行うことの可能性を探る。母語を活用した学習支援は日本語による教科理解を促進するとされるが,実施に際しては母語支援者の確保に課題を抱える。問題の解決に向けて,学年相応の国語教材文を扱った「母語による学習」を,時間や場所にとらわれない遠隔型支援として試行したところ,そこでは多様な読みの活動が展開され,高度な思考操作や理解力,子どもの考えを誘発し思考を深める学習課題が設定されていることがわかった。また,読むことだけでなく作文への活動の展開も可能であった。以上,スカイプによる遠隔型支援は母語支援者の人材リソースの開拓と,子どもにとっては母語を活用した学習支援を受ける機会の拡大につながるといえよう。
著者
清田 淳子
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.174, pp.31-44, 2019

<p> 本研究では「言語少数派の子ども」に対する教科学習支援の方法として,「教科・母語・日本語相互育成学習モデル」 (岡崎1997) における「母語による学習」場面をスマホ版スカイプを利用した遠隔授業として行うことの可能性を探る。母語を活用した学習支援は日本語による教科理解を促進するとされるが,実施に際しては母語支援者の確保に課題を抱える。問題の解決に向けて,学年相応の国語教材文を扱った「母語による学習」を,時間や場所にとらわれない遠隔型支援として試行したところ,そこでは多様な読みの活動が展開され,高度な思考操作や理解力,子どもの考えを誘発し思考を深める学習課題が設定されていることがわかった。また,読むことだけでなく作文への活動の展開も可能であった。以上,スカイプによる遠隔型支援は母語支援者の人材リソースの開拓と,子どもにとっては母語を活用した学習支援を受ける機会の拡大につながるといえよう。</p>