著者
渡 正亮
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, 1974-03-15

急傾斜地崩壊の全国的調査結果をもとに, 崩壊に関与する因子について説明し, その崩壊形態を論じるとともに, 崩壊予測と防止工計画の着眼点となるべき崩壊型を分類し, 各崩壊型についての説明を加えたものである。この報告においては, 急傾斜地の崩壊に関する因子として地形, 土質構成, 植生, 地表水, 地下水および地質を選び, 崩壊発生地におけるこれら因子の特徴を説明している。また崩壊の形態を崩落型と滑落型の二種類に大きく区分し, 滑落型をさらに静止形, 流動形, 分散形に再区分している。そして崩壊型の分類は, 表土, 崩積土, 火山砕屑物, 段丘タイ積物, 強風化岩(マサ, 温泉余土), 岩〔I〕および岩〔II〕について, それぞれ崩落型と滑落型があるとして典型化されており, 各崩壊型の特徴が説明図をつけて解説されている。