著者
渡辺 敬介 金子 知適
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.158-162, 2017-11-03

本論文は,将棋における勾配ブースティング木を用いた局面評価関数を実証する.現在,殆どの将棋プログラムでは線形モデルを用いた評価関数が使用されている.一方で,機械学習分野では様々な非線形モデルを用いた手法が提案されており,これらの手法をうまく将棋に適用できれば既存手法より正確な評価関数を作成できると期待される.本研究は,勾配ブースティングを用いることにより評価関数の改善を試みた.1手当たりの探索局面数を固定して対局実験を行った結果,提案手法は基本手法に対して勝率6割以上で勝ち越し,提案手法が有力な手法であることが示された.しかし探索速度では提案手法に従来手法に大きく劣り,さらなる改善が必要であると考えられる.