- 著者
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岩出 珠幾
住田 亙
渡邉 芳夫
- 出版者
- 日本臨床外科学会
- 雑誌
- 日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
- 巻号頁・発行日
- vol.72, no.6, pp.1374-1377, 2011 (Released:2011-12-25)
- 参考文献数
- 16
中心静脈カテーテル:central venous catheter(CVC)を留置されている患者において,カテーテル関連血流感染症:Catheter-related blood stream infection(CRBSI)で,真菌感染を認めた場合にCVCの抜去を余儀なくされる.今回われわれはエタノールロック療法:Ethanol-lock therapy(ELT)を用いてCVCを抜去せず真菌感染がコントロールできた症例を経験した.患者は19歳,女性.生後1カ月時に慢性特発性偽性腸閉塞症と診断され,CVCでの高カロリー輸液を必要とし,これまでにMRSAやP. aeruginosaによるCRBSIを頻回に発症していた.某年8月に発熱で入院,CVCからの逆流血培養でCandida parapsilosis(C. parapsilosis)検出した.ELTおよびfluconazole(FLCZ)の経静脈投与にて治療し,CVCを抜去することなく感染コントロール可能であった.CRBSIに対するELTの有効性が海外および本邦で報告されており,それらの文献的考察も含めて報告する.