著者
菊地 美帆 境原 三津夫 河内 和直 藤田 ゆかり 渡邊 之夫
出版者
新潟県立看護大学
雑誌
新潟県立看護大学紀要
巻号頁・発行日
vol.2, pp.23-27, 2013-02-14

分娩のメカニズムに関しては科学的に解明されつつあるが,陣痛発来のメカニズムは未だ明らかになっていない.このため,経験に基づく種々の言い伝えが数多くある.そこで本研究では,人的介入のない自然陣痛発来時刻および前期破水時刻を対象として,自然現象である気圧と月齢,時間帯との関係を検討した.対象は,2010 年1 月1 日から12 月31 日までの1 年間に,茨城県のT 病院で自然陣痛発来後に分娩に至った236 症例と前期破水後に分娩に至った77 症例である.統計学的に解析した結果,以下のことが明らかとなった.1.気圧と自然陣痛発来数・前期破水数に統計学的に有意な差は認められなかった.2.月齢と自然陣痛発来数・前期破水数に統計学的に有意な差は認められなかった.3.自然陣痛発来・前期破水は,夜間帯(午後6 時から午前6 時まで)に多かった.