著者
髙山 留美子 福村 忍 皆川 公夫 渡邊 年秀
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.332-336, 2016 (Released:2016-09-09)
参考文献数
16

【目的】Lennox-Gastaut症候群 (LGS) に対するrufinamide (RFN) の短期有効性と安全性を検討した. 【方法】平成25年7月~平成26年1月に当院と緑ヶ丘療育園通院中のLGS症例において, RFN開始3カ月時点の有効性と安全性を診療録より後方視的に検討した. 有効性は抑制 (発作消失), 有効 (50%以上の発作減少), 不変 (50%未満の発作減少または増加), 悪化 (50%以上の発作増加), responder rate (RR) は50%以上発作減少に達した症例の頻度とした. 【結果】LGS 13例 (男8例, 女5例) であった. 強直発作 (13例) は抑制1例, 有効3例, 不変8例, 悪化1例, RR 30.8%, 発作増加のため2例が中止した. 4例に一過性の抑制効果を認めた. 強直間代発作 (2例) は抑制1例, 不変1例, 脱力発作 (2例) は不変2例, 非定型欠神 (2例) は有効1例, 不変1例であった. 副作用は8例に認め, 眠気6例, 不眠1例, 食欲低下4例のうち2例に体重減少を伴った. 重篤な副作用, 副作用による中止例はなかった. 【結論】RFNはLGSの強直発作に短期有効性を認めたが, 一過性の抑制効果を示す症例も認めた. 重篤な副作用はなくLGS症例にRFNは使用する価値があると判断した.