著者
渡邊 純一郎 藤田 真理奈 矢野 和男 金坂 秀雄 長谷川 智之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.1470-1479, 2013-04-15

組織の生産性をいかにして向上させるかということは,リーダやマネージャにとって大きな関心事である.しかしながら,生産性向上に向けたこれまでの施策は,マネージャの経験や勘など定性的な評価に基づくものが主であった.我々は,ウェアラブルセンサを用いて物理的な人間行動を長期的に計測し,身体的な動きの度合いである活発度や対面コミュニケーションと生産性との関係を定量的に評価した.アウトバウンド型コールセンタにおいて受注率に影響を与える要因を調べた結果,休憩中の職場の活発度と受注率が相関することが分かった.両者の因果関係を明らかにするために少人数のチームごとに休憩時間を合わせる施策を行った結果,休憩中の対面コミュニケーションに起因するチームの活発度が生産性に影響することが分かった.本研究の結果は,センサにより職場の活発度を定量的に計測しマネジメントすることにより,生産性を向上させられる可能性を示唆する.
著者
渡邊 純一郎 望月有人
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.3899-3907, 2008-12-15

さまざまな情報端末を用いて膨大な情報にアクセスすることが可能になってきているが,それらのユーザインタフェースはコンテンツの検索性という点において複雑さを増している.本研究では,複雑な操作を必要とせず所望のページにアクセスできる「本」という情報メディアに着目し,パラパラとページをめくる操作をメタファとしたブラウジングインタフェースを試作した.薄いシート状のデバイスを曲げる操作により,曲げによる弾力を手や指にフィードバックとして与えることで,実世界の本のページを自在にめくる感覚でデジタルコンテンツのブラウジングを行うことができる.このインタフェースは既存の情報端末向けのタンジブルな操作デバイスとしてだけでなく,技術開発が進んでいるフレキシブルディスプレイ向けのインタフェースとしての応用を視野に入れている.
著者
渡邊 純一郎 藤田 真理奈 矢野 和男 金坂 秀雄 長谷川 智之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.1470-1479, 2013-04-15

組織の生産性をいかにして向上させるかということは,リーダやマネージャにとって大きな関心事である.しかしながら,生産性向上に向けたこれまでの施策は,マネージャの経験や勘など定性的な評価に基づくものが主であった.我々は,ウェアラブルセンサを用いて物理的な人間行動を長期的に計測し,身体的な動きの度合いである活発度や対面コミュニケーションと生産性との関係を定量的に評価した.アウトバウンド型コールセンタにおいて受注率に影響を与える要因を調べた結果,休憩中の職場の活発度と受注率が相関することが分かった.両者の因果関係を明らかにするために少人数のチームごとに休憩時間を合わせる施策を行った結果,休憩中の対面コミュニケーションに起因するチームの活発度が生産性に影響することが分かった.本研究の結果は,センサにより職場の活発度を定量的に計測しマネジメントすることにより,生産性を向上させられる可能性を示唆する.Improving team performance has been a great concern of leaders and managers. They try to understand the factors affecting performance and reorganize their team on the basis of their experience and intuition. Recent progress in wearable sensor technologies has opened up new ways of measuring our physical behaviors. Particularly attractive is the ability of such sensors to capture data quantifying body movement and face-to-face communication. In this study, we explored possible factors affecting performance in call centers by using a wearable sensor, a "sociometric badge." We found that the activity level, i.e., liveliness, while working does not correlate with team performance whereas that while resting does. We also found that improving face-to-face communication leads to increased activity levels and to better team performance. Our results demonstrate that team performance can be improved by managing workplace activity levels.