著者
湊 信幸 富田 淳
出版者
独立行政法人国立博物館東京国立博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

日本に現存する中国絵画、中国書跡の内、これまで未調査であった重要な作品ついて、書画家印、鑑蔵印、落款の調査を実施した。今回の調査の対象としては東京国立博物館に保管されている中国書画作品に重点をおいて実施した。調査は、従来通り、原則として6×4.5判カメラによる原寸大の白黒写真として撮影した。これらの写真資料については、B6判のカードに貼り、それぞれ基礎データを記入し、分類整理の作業を継続実施した。収集資料の基礎データを作成するにあたっては、特に難解な書画家印・鑑蔵印の印文の読みに努めるとともに、データベース化のために、これまで蓄積された写真資料については、スキャナーを用いてデジタル画像化をこころみた。また、従来6×4.5サイズのカメラでは原寸撮影できなかった大きな印について、デジタルカメラによる調査の有効性を検証するため、デジタルカメラによる資料撮影を一部実施した。これらのデジタル画像を含む基礎資料のデータベース化について検討をおこなった。特に問題としたのは、原寸撮影による写真資料をデジタル画像化し入力する際に、印影の大きさを示すための有効な方法についてであるが、これについては充分な結論を得るに至っておらず、今後の課題として、さらに検討を重ねていきたい。また、本研究の将来の目的である「日本現存中国書画家鑑蔵家落款印譜』公刊のための基礎的作業の一つとして、諸資料の中から、よく知られている主な書画家、鑑蔵家を抽出し、文字データと画像データを示したものを報告書としてとりまとめた。
著者
湊 信幸 富田 淳
出版者
東京国立博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

日本に現存する中国絵画、中国書跡の内、本研究にとり重要である作品を選定し、諸作品に押印されている書画家印、落款を、原則として6×4.5判カメラによる原寸大の白黒写真撮影、必要に応じて6×4.5判カメラによる原寸大のカラー写真、また印色の記録の為に35ミリカラースライド撮影により調査を実施した。今回の調査と対象としては東京国立博物館に保管されている中国書画作品に重点をおいて実施した。調査により収集することの出来た諸印、落款の原寸大焼付写真資料を、従来、収集整理した写真資料と同様にB6判のカードに貼り、原則として、それぞれに印文、落款、書画家名、賞鑑家名、用印年代、作品名、作品の制作年代、所蔵者、作品登録番号、ネガ番号、撮影年月日等の基礎データを記入し、画家、書家、賞鑑家別に分類整理をおこなった。また、諸資料の整理にあたっては、落款および諸印の真偽の問題等について、日本国外に現存する作品の諸印の関係資料も、出来る限り比較して検討する作業を実施し、諸印と落款に関するいくつかの個別的問題について具体的に検討を加えた。さらに、今後の課題として、収集した写真資料のデジタル化の問題についても検討をした。