著者
溝上 義則 寺尾 岳 山下 瞳 河野 寿恵 田中 悦弘
出版者
九州精神神経学会
雑誌
九州神経精神医学 (ISSN:00236144)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.77-82, 2013-08-15 (Released:2014-12-26)
参考文献数
16

軽躁状態を呈する中年男性の統合失調症患者に対し,薬物療法や通常の精神療法と並行して,絵画療法を行った。描画の定量的指標として,描画時間,描画面積,毎分描画面積を測定し,精神状態との関連を検討した。精神状態については,Clinical Global Impression-Severityにてカルテ記載をもとに後方視的に評価した。その結果,軽躁状態の改善とともに,作品の描画時間が有意に減少した。絵画療法の時間を測定することで,患者の全体的な理解に役立つ可能性が示唆された。