著者
溝口 昌弘
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.366-377, 2015 (Released:2015-06-25)
参考文献数
93

TCGAに代表される大規模癌ゲノム解析により, 体系的かつ包括的なゲノム解析が推進され, グリオーマにおいて新たな知見が続々と報告されている. ゲノム, トランスクリプトーム, エピゲノムといった複層的な解析により, その全体像が明らかとなりつつある. 次世代シークエンサーに代表される, 近年の技術開発に伴い, その解析速度は飛躍的に向上し, 大量のゲノムデータが公開されるとともに, その複雑さも明らかとなった. 本稿では膠芽腫を中心に, これまで明らかとなった知見を総括し. 現時点での問題点と今後の課題について考察した.