著者
滝山 佳樹
出版者
日本生産管理学会
雑誌
生産管理 (ISSN:1341528X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.167-172, 2001

中国の国有企業改革の為に、これまで様々な試行や努力により、「内圧」を加えてきたが、もはや限界に近く、今後は最後の切り札としてWTO (世界貿易機関) 加盟による「外圧」に依存することとなる。国際経済のルールに従い、市場経済の競争原理に否応なく委ねることによる改革の促進である。だが一歩誤れば、国有企業の改革はおろか、政権の基盤をも揺るがしかねない危険性もある。また産業構造改革の面からすれば、本来の意図とは異なり、斜陽の労働集約型国有企業を温存し、むしろ強化することにより、他産業の混乱を吸収する必要がある。一方、目指すハイテク産業の育成は独自では難しく、外資系企業との共存を図らざるを得ない状況が暫く続くと思われる。