著者
有田 秀穂 滝本 裕之
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.73, 2016 (Released:2016-08-01)

脳幹のセロトニン神経は各種のリズム運動(丹田呼吸法、自転車漕ぎ、ガム噛みなど)によって活性化され、その結果として、脳波に開眼覚醒状態で、β波の中にα2成分(10−13Hz)が混入するようになる。この時、全血中のセロトニン濃度が増加し、POMS心理テストでネガティブな気分の改善が認められることを既に報告してきた。通常、α波は開眼から閉眼に移行すると直ちに出現することが知られているので、開眼状態で、かつ、リズム運動実施5分位から出現するα波に着目して、本研究では各種のセラピーによってセロトニン神経の活性化を検討した。その結果、眼球のリズミカルな運動と、顔面および背部のリズミカルなマッサージがセロトニン神経の活性化に有効であることを見出した。なお、マッサージは脳内オキシトシン分泌を促す効果が知られているので、オキシトシン受容体を持つセロトニン神経が二次的に活性化されたものと推察した。