著者
潮下 敬 泉川 欣一 原 耕平 Arifa Nazneen 古巣 朗 宮崎 正信 河野 茂
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.131-134, 2003-02-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

本邦では毎年ハチ刺症により約40人の死亡が認められる. アナフィラキシーショックはよく知られているが, 横紋筋融解症による急性腎不全の合併症例は比較的少ない. 今回, われわれはスズメバチ刺症後に横紋筋融解症, 多臓器不全をきたし血液透析を施行して救命した症例を経験した. 症例は80歳男性. 全身をスズメバチに刺されて意識消失し緊急入院となる. 入院後急性腎不全を主体とする多臓器不全を発症したが, 血液透析を計8回施行して腎機能は回復した. 透析離脱後は他の臓器不全も改善し後遺症も認められなかった.ハチ刺症による急性腎不全の発症機序としてはハチ毒による尿細管壊死, 横紋筋融解, 血管内溶血などが考えられる. これまでの報告と合わせてスズメバチ刺症による多臓器不全について報告する.