著者
澤井 文雄
出版者
東北職業能力開発大学校付属 秋田職業能力開発短期大学校
雑誌
東北職業能力開発大学校附属秋田職業能力開発短期大学校紀要
巻号頁・発行日
vol.14, pp.46-51, 2009-03

1年次を普通に修了して進級した学生A君は2年次に単位不足で留年し、3年目の途中から心の不調により学校に来られなくなった。担任の指導により暫くは学業も続いていたが不調が強まったため、担任と保護者の話合いによりA君の退校がほぼ決定した。退校相談及び退校手続きにA君・保護者が来校したその日は、短大が配置を決めたカウンセラーの勤務初日であり、カウンセラーにこの状況を話した。A君・保護者がカウンセリングに同意し心のケアーが開始された。これを境に、勉強の気力を取り戻し就職が内定した企業に就職すべく個別指導が始まった。A君は3月末無事卒業証書を手にして、就職が決まっていた企業の勤務地に旅立った。本報告は、この経過と残された課題の明確化、今後の取組みについての一考察である。学生指導の大変さと喜びを教員間で共有し、今後の学生指導の糧になれば幸いである。