著者
澤邉 知子 鈴木 純司 小野 定康
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.1207-1214, 1994-10-20
被引用文献数
2

パイプライン演算器を中心とする従来のDSPは, 画像符号化への応用に対し, 積和演算が主体の変換符号化等の処理効率は高いが, シリアルなビット列に対する論理演算が主体のハフマン符号化等の処理効率は低いという問題があった.本論文では, こうした特性を有するエントロピー符号化の高速処理が可能で, しかも実現アルゴリズムをプログラムで記述することにより, 機能の柔軟性をも兼ね備えた新しいシステム構成法を提案している.最初にJPEG符号化を例に, 符号化処理に含まれるビット列処理の比率を明らかにし, ビット列処理と演算器との不整合性を指摘する.そして, 高位記述論理合成LSI-CADシステムとFPGA(Field Programmable Gate Array)による新しいアプローチを提案し, 実際にハフマン符号化部の設計を行った結果について述べ, DSP/汎用マイクロプロセッサとの処理速度の比較結果から, 高速性と機能の柔軟性の2つの目標が達成可能であることを実証している.