- 著者
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梶山 誠
濱岡 秀樹
濱岡 明子
- 出版者
- 千葉県水産総合研究センター
- 巻号頁・発行日
- no.12, pp.81-88, 2018 (Released:2018-07-04)
東京湾の富津干潟周辺海域で1998~2016年にアマモ類の分布調査を実施した。同海域にはアマモ,タチアマモ,コアマモが分布し,分布範囲は4km2,そのうちアマモ群落の面積は1.32km2,群落の密度は33%と推定された。群落面積は1999~2001年に低位で推移した後,増加傾向にあった。アマモ場の水温は2010年が顕著に高く,高水温が長期間継続する場合には影響があると推察された。2011年には東日本大震災の津波の影響と考えられるアマモの減少が見られたが翌年には回復した。本海域のアマモ場は,物理的な影響や水温環境を受けて増減するが今後も分布は継続すると考えられ,生物の多様性を維持していくうえで重要である。