著者
荻島 大貴 濱村 憲佑
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.663-669, 2019 (Released:2020-08-31)
参考文献数
12

目的:腹腔鏡下子宮全摘術(Total Laparoscopic Hysterectomy:TLH)は,エネルギーデバイスの発達とともに普及してきた一方で,合併症も多く報告されている.当院でも本合併症が発生したため,原因分析と安全対策を行い,その有用性を検討した.方法:複数科での合同チームを作り,合併症の分析を行い,それをもとに手術手技の改訂を入れたTLHの定型化マニュアルと,手術開始前と終了時の安全確認のチェックリストを作成し,改訂前後での手術時間,出血量,合併症の有無について検討した.結果:改訂前のTLH件数は48件で手術時間の平均は133.1分,出血量は91.7ml,合併症は6例に対し,改訂後(39例)は手術時間162.0分,出血量53.6ml,合併症0例であり,手術時間の有意な延長をみるものの,出血量,合併症は有意に低下した.TLH+PL(Pelvic lymphadenectomy)でも,手術時間は延長(改訂前196.4分,改訂後271.2分)したが,出血量(改訂前222.9ml,改訂後53.1ml)および,合併症(改訂前1例,改訂後0例)には有意差はみられなかった.結語:複数科による安全対策マニュアルを作成し,運用することによって周術期合併症を減らすことができた.