著者
瀧 勝俊
出版者
愛知県農業総合試験場
雑誌
愛知県農業総合試験場研究報告 (ISSN:03887995)
巻号頁・発行日
no.32, pp.141-147, 2000-12
被引用文献数
5

ハウスイチジクのリアルタイム栄養診断手法を確立する目的で、園芸研究所内温室においてコンテナ及びポット栽培の桝井ドーフィンを用いて試験を行った。 1.施肥が作物栄養に及ぼす影響を、葉身および葉柄汁液中硝酸濃度、葉色の変化を経時的に測定して検討した結果、葉柄汁液中硝酸濃度が施肥と対応しており、リアルタイム窒素栄養診断に最も適していると判断した。 2.葉柄の採取条件はは、汁液中硝酸濃度の推移から判断して、最も安定した値が得られる結果枝中段位葉柄を晴天日の午後に採取することが望ましいと判断した。 3.施肥量を変えて栽培した結果、最も収量が多かった区の中段位葉柄中硝酸態窒素、カリウム濃度はどちらも4,000~6.000ppmであった。 以上の結果から、ハウスイチジクのリアルタイム栄養診断は結果枝中段位葉柄汁液中硝酸、カリウム濃度を測定することにより可能であり、近い将来生育ステージ別診断基準値を用いた施肥管理技術を確立できると考える。