著者
瀬尾 和男 横田 隆史
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.4(1987-ARC-048), pp.81-88, 1988-01-21

我々の研究所において開発を進めているRISC方弐μプロセッサ"Pegasus"は、カスタムVLSI技術に基づくProlog処理の高速化を目指したものであり、Prologの実行形態に即したスタック操作、タグ操作、Backtrackに伴う状態の退避・復旧等を効率良く実行できる命令セットを備えている。特に、Backtrackに伴う状態の退避・復旧に関しては、互いにコピー可能なレジスタ対によって構成されるレジスタ・ファイルをカスタムVLSI設計によって実現し、高速化を図っている。本報告では、Pegasusアーキテクチャを検証する目的で行ったプロトタイプ・チップの開発について述べる。このチップは、プロトタイプ開発に要する時間の短縮化を目標にフルカスタム/スタンダード・セル方式によって設計されている。テスト・ボードに組み込んだ試験の結果、マシンサイクル200nsで動作可能であり、Append:239KLIPS、Quicksort:149KLIPSの推論性能を達成している。