- 著者
-
岡田 仁志
甲斐 司
前田 温子
瀬尾 明裕
尾崎 賢
坂上 貴光
横井 宏佳
宮原 茂
- 出版者
- 一般社団法人 日本フットケア学会
- 雑誌
- 日本フットケア学会雑誌 (ISSN:21877505)
- 巻号頁・発行日
- vol.15, no.3, pp.124-129, 2017-09-30 (Released:2017-09-30)
- 参考文献数
- 23
【要旨】血液透析(HD)患者は動脈硬化症のリスクが健常人に比して高いとされている.足関節上腕血圧比 (ankle brachial pressure index:ABI) は動脈硬化症のスクリーニング検査として重要であるが,その 0.9 未満の症例において栄養障害と動脈硬化の関連した病態を有する症例の多いことが報告された.HD 患者 29 名を対象に ABI を測定し,geriatric nutritional risk index (GNRI) を含めた種々のパラメータとの関連について検討した.ABI は栄養指標の GNRI,Alb,body mass index (BMI)(τ=0.39,0.31,0.25)や糖尿病,WBC,CRP,LDL-C(τ=0.27,0.27,0.24,0.21)と相関を認めた.HD 患者において ABI は各種栄養指標との関連性を認め,特に GNRI と密接な関連があることが示唆された.各種栄養指標の中で,GNRI は ABI と最も強い相関を認め,GNRI が動脈硬化症の病態を反映する 1 つの指標となりうると考えられた.