著者
片岡 良浩
出版者
九州歯科大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

今回、変形性顎関節症の病態解明のため、培養滑膜および軟骨細胞を用いた実験を行った。ヒト軟骨細胞株に対して、炎症性サイトカインとして腫瘍壊死因子(TNF-α)を添加して培養を行ったところ、マトリックスメタロプロテアーゼであるMMP-13の遺伝子発現が有意に増強した。この誘導系に対して、高分子量ヒアルロン酸を添加したところ、TNF-αによるMMP-13遺伝子の発現は有意に抑制された。一方、インターロイキン17(IL-17)は、滑膜肉腫細胞株に対して、MMP-3の発現を亢進した。ヒト顎関節滑膜細胞には、IL-17受容体が同定され、IL-17の関節内のターゲット細胞であることが示唆された。