著者
牧野 純也 矢吹 信喜 福田 知弘
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:21856591)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.I_22-I_32, 2022 (Released:2022-03-23)
参考文献数
24

東日本大震災により発生した指定廃棄物の輸送時には,種々の制約を満たす最適な輸送車両の運行計画を立てる必要があるが,組み合わせ爆発による計算時間の増大により,近似解を求めることに留まっている.本研究では,指定廃棄物の輸送計画を作成する際,必要な制約条件として挙げられる,就業時間内に輸送を完了させること,荷降施設への輸送車両の到着時刻重複を防ぐことに着目し,量子アニーリングにより最適な輸送計画案を導くための基礎的な定式化を行った.また,輸送計画の実行中に発生しうる遅延による計画の乱れの際,運行計画の再作成に用いるコスト関数の定式化を行い,平常時と遅延発生時を想定した輸送計画の最適化を行った.最適化の結果,適切なパラメータ値の設定により,様々な条件下で最適な運行計画表を出力することを確認した.