著者
犬飼 直之 杉本 高志 Pujirahajo ALWAFI 細山田 得三
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海洋開発論文集 (ISSN:09127348)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.153-157, 2008 (Released:2010-08-25)
参考文献数
2
被引用文献数
2

The Niigataken Chuetsu-oki Earthquake occurred on July 16, 2007. The maximum magnitude of this earthquake was recorded 6.8 and the maximum JMA seismic intensity scale was recorded 6 upper, and Chuetsu area, especially around Kasiwazaki city, was damaged extensively. The Tsunami was occurred due to the earthquake, however arrived to Akita and Ishikawa shoreline. This wave was not big and there were not the extensive damage this time. However, the big tsunami following the extensive damage sometime occurs in the Sea of Japan. For example, the Tsunami due to Niigata Earthquake in 1964 became over 4 m wave height at Niigata City. Therefore, even if it was a small-scale wave and small damaged in this time, it is necessary to analysis how the people on the beach when the earthquake occurred thought, for example, how they imaged the arrival of tsunami and how to evacuate from the tsunami. Then, this study researched the hearing investigation for the people who was near from the shoreline when the earthquake occurred. The results mainly indicate that the more any evacuation route information should be shown, because the most people who come from another place do not know the information.
著者
福嶋 祐介 犬飼 直之
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

粉雪雪崩の流動機構と発生機構が同じ固気混相流である吹雪の流動と密接に関連していると考え、一連の研究を推進した。モデルとして、これまで保存性サーマルや定常の泥水流で実績のあるk-ε乱流モデルを用いた。偏微分方程式の離散化と数値解法にはSIMPLE法を用いた。まず、吹雪の解析では拡散方程式の解法で不可欠な底面での境界条件について考察した。その結果勾配型あるいはフラックス型で与えられる境界条件として雪の連行係数を用いる方法がもっとも合理的であることを示した。これを南極みずほ基地で観測された吹雪データと比較し、風速分布、飛雪流量の分布に対して合理的な結果を与えることを明らかにした。また、現地観測結果と数値解析を組み合わせるで雪粒子の密度と雪の連行係数が算定できることを示した。雪崩については、傾斜面上のサーマルの流動と酷似していることから、保存性傾斜サーマルの解析を基礎として、上流部で塩水サーマルとして発生した流れが斜面上の固体粒子を巻き上げ、さらに自ら加速する"Ignition Condition"が現れる泥水流に置き換えて数値解析を行った。この結果、底面上の固体粒子の直径がある程度小さいとIgnition Conditionを満たし、流下方向に加速する現象があることを初めて見出した。このようにサーマルが加速する場合には、塩分濃度の等濃度線の時間変化は保存性の場合とかなり異なり、斜面方向に平坦な形状を示すことが明らかになった。一方、土砂の等濃度線の形状は塩分濃度の等濃度線とはその形状がまったく異なり、プルームの先端部の形状に近いことを明らかにした。さらに、固体粒子を浮遊する流れの相似則についてさまざまな議論があることから、傾斜サーマルについて、保存性と非保存性の二つの場合についてスケールを100倍に替えた数値解析をおない、サーマルの流動に及ぼすスケールの効果について議論した。その結果、保存性傾斜サーマルでは適切な無地元化を行うとスケールにかかわらず相似な流動となることを実証した。一方、非保存性の場合には、スケールが異なると流動特性に顕著な違いが現れることを確認した。したがって、吹雪や雪崩の流動特性を明らかにするためには、現地規模の数値解析を行うことがもっとも有効であることが示されたといえる。またスケールが異なった場合の底面での条件については十分な検討がなされていないことから、この条件を明確にすることの重要性を明らかにした。