著者
直野 健 猪貝光祥 木立 啓之
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.87(2006-HPC-107), pp.181-186, 2006-07-31

高性能計算機のアーキテクチャが複雑になったため,高性能計算機向けに行列計算をチューニングするコストが多大なものになっている.そのコストを緩和するため,1990年代から自動チューニング方法が行列計算向けに研究されている.本稿の目的は,代表的な自動チューニング方法について動向をまとめることである.自動チューニング方法を分類し,動向を分析するために,行列ソフトウェア階層とソフトウェア開発サイクルの視点を用いた分析を行った.その結果,自動チューニング方法はより抽象度の高いソフトウェア階層へと進展しつつあることが分かった.また,今後の課題として,ソフトウェア開発サイクルにおける性能評価データがより多く必要であることが分かった.