著者
玉置 好徳
出版者
梅花女子大学文化表現学部
雑誌
梅花女子大学文化表現学部紀要 = Baika Women's University Faculty of Cultural and Expression Studies Bulletin (ISSN:24320420)
巻号頁・発行日
no.14, pp.52-57, 2018-03-22

本研究では、地域福祉における情報の重要性を明らかにするために、「地域福祉の4 つの志向軸」に取り上げられた各論と、後発の地域福祉情報論の関連について系統的に分析した。その結果、地域福祉論における情報の位置づけは、行政などによるサービス情報システムや住民向けの情報提供サービスなどと、住民などによる主体的な情報活用に大別されることが明らかになった。また、福祉情報化の進展によって、かえって情報格差が広がり、とりわけ福祉サービスの利用者などに情報弱者が多く含まれているという問題がある。その根底には、生活保護などの福祉サービスに付随する劣等処遇的福祉観があり、ときにそれをメディアがさらに拡散させている。したがって、福祉情報を的確に分析して活用できる能力を有する福祉情報活用主体を形成するために、福祉教育とメディア・リテラシーを統合して福祉メディア・リテラシーの方法論を確立することが今後の課題となる。