著者
王 海波
出版者
日本北方言語学会
雑誌
北方言語研究 (ISSN:21857121)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.135-156, 2020-03-20

満洲語は満洲・ツングース系の言語であり、元々清国(1616-1912)を建てた満洲族の言語である。満洲語の古典語1(以下「 満洲古典語」または「古典語」)は17世紀から18世紀末にかけて清国で使用された満洲語を指す。本稿で扱う満洲語三家子方言と黒河方言2は、現在中国黒龍江省チチハル市富裕県三家子屯と同省黒河市で話される満洲語の方言である。また、本稿で扱う満洲語シベ方言3は、現在中国新疆ウイグル自治区のチャプチャルシベ自治県で話される満洲語の方言である。